Teache'r Talk 先生トーク

0~5歳までの子どもの大切な時期に寄り添う『先生』は、つのぶえ保育園の魅力の一つ。
20年以上もつのぶえで過ごすベテラン先生から、今年新しく入った新人先生まで、
「つのぶえ保育園について」また「どのような想いで保育をしているか」聞いてみました。

先生トークに参加いただいた先生たち。左から山口先生・岩崎先生・北川先生・小薗江先生・坂本先生

先生トークに参加いただいた先生たち。左から山口先生・岩崎先生・北川先生・小薗江先生・坂本先生

巣立った教え子たちが戻ってこられる場所世代を超えて繋がっていれるのがつのぶえならではだと思う巣立った教え子たちが戻ってこられる場所世代を超えて繋がっていれるのがつのぶえならではだと思う

子どもたちの自主性を育む。言葉にすると平凡に聞こえるが、実はとても難しいこと。つのぶえ保育園でこれを叶えているのが「自由保育」という教育方針だ。
「園長先生に聞いた話ですが、たとえばリレー1つとっても、普通だと先生がいい勝負になるようにチーム分けをして始めますよね。でもつのぶえの場合はあえて子どもたちに任せてみるんです」その結果、たとえ3人と5人のチームになってしまっても、まずはリレーをしてみるという。「当然ですけれど3人のチームばかりが勝ってしまう。

小薗江先生
小薗江先生

主役は子どもたち、私たちは黒子の役割主役は子どもたち、私たちは黒子の役割

岩崎先生
岩崎先生

でもしばらくすると『あれ?なんかおかしいよね』って子どもたちが気付き始めるんです」。そのときに「じゃあ、みんなで楽しむにはどうしたらいいのかな?」と問いかけてみると、子どもたちはまた「う〜ん」と考えて自分たちなりの答えを見つけていくのだ。「私たちはあくまで黒子。子どもたちに問いかけ、気づきを与えて、つなげていくということを大事にして行きたいと思います」。(薄井先生)

1つのボールしかないから学ぶことがある1つのボールしかないから学ぶことがある

以前、同じことをみんなで行う「一斉保育」を基本にする幼稚園に勤めていたという七五三先生は、その違いに戸惑うこともあったという。
「あるときボールが1つしかなかったら子どもたちで取り合いになってしまったんです。1つしかない遊び道具をを出してしまった私のせいだって思っていたら、先輩に『1つしかないなら1つしかないなりの遊び方とか譲り合いの仕方をフォローすればいいんだよ』と教えてもらって、なるほどなと思いました」。以前だったらボールを取り上げ、争いを防ぐために平等に使えるだけの数のあるもの代わりに出していたという。
「でも子どもたちにしてみたらボールを取り上げられた理由もあやふやだし、独り占めしようとしていた子にとっても、他の子を思いやることを学ぶタイミングを失ってしまうことになる。先輩の言葉で意識がガラッと変わりました」。もちろん、赤ちゃんのクラスでも「自由保育」は導入されている。

北川先生
北川先生

たとえばいくつかおもちゃを準備してあげると、遊ぶモノがそれぞれ違うのだとか。「この子はこの遊びが好きだな、この子はこれが得意だなとか。赤ちゃんでも一人一人違うので、興味がどこにあるのか引き出してあげられたらなと思っています」。(佐藤先生)「特に0歳、1歳の赤ちゃんは遊びへの興味はもちろん、小さいなりに人として楽しさや悲しさを身体中で表現します。それぞれの子どもたちの気持ちに寄り添って、心強い味方でありたいとおもいますね」。(山口先生)

挫折したときに立ち直れる力を身につけて欲しい挫折したときに立ち直れる力を身につけて欲しい

坂本先生
坂本先生

もちろん、ときには厳しく接することもある。「保育園の時代だけじゃなくて小学校、中学校、高校と続いていくなかで、自分の思いや感じることを自信をもって言えたり、考えられたりできることはとても大事」と北川先生は言う。子どもというより、一人の人として向き合って真正面からぶつかっていくことが多いので、卒園した子どもたちから「先生、厳しかったよね」なんて言われることも多いのだとか。「厳しい言葉を言うということは、それだけの責任を伴います。でも子どもたちの将来にとって、上辺だけの優しさが良いとは思わない。私と関わることで子どもたちが何かしらを感じて、プラスになるものを得ていってもらえたらという想いで一人一人と向き合っています」

真正面からぶつかりあう毎日が真剣勝負真正面からぶつかりあう毎日が真剣勝負

「子どもたちが大人になって挫折を感じたり壁にぶつかったりしたときに、自分で立ち直れる力を備えていってほしい」そんな想いで保育にあたっているという岩崎先生。そのことが垣間見れた、『瀬戸物のコップ』のおはなし。保育園の中にはあえて瀬戸物のコップや花瓶などが置いてあります。 「割れないようにプラスチックで揃えるのは簡単です。でも、それは大人の都合ですよね。割ってしまった後にどうしたらいいかを身を以て学ばせてあげられればと思っています」。 万一コップを割ってしまったら、その子は担任と一緒に園長先生に報告に行く。「最初は『お皿が割れちゃった』なんて言ってるんですけど、お皿は自分じゃわれません(笑)。でも頭ごなしに叱るのではなく、どうして?どうすればいいと思う?と、子どもたち自身にしっかり考えてもらうんです」。 そして大切なのはその後。子どもがきちんと気をつけられた時に「ちゃんとできて偉かったね」と失敗を生かしたことを必ず褒めて、認めてあげることが大切なのだという。 「子どもたちには謝りに来たことを『良かった』と思ってほしいんです。失敗しない人なんていない。大切なのは何か事を起こしてしまったときに人としてどう考え、どう動くかということ。小さい時期にそれを学ぶ機会を得ることで人としてのベースが備わっていくんじゃないかなと思うんです。もちろん、瀬戸物の取り扱いには細心の注意をはらってそっと見守っています。」

山口先生
山口先生
イメージ

卒園した後も見守るのがつのぶえ流卒園した後も見守るのがつのぶえ流

保育の仕事は、子どもたちが何十年後かに花を咲かせることを信じて、畑を耕し種を撒く仕事。将来の姿を見ることはできないが、つのぶえ保育園では卒園後も度々子どもたちが訪ねてくるという。またその長い歴史から、教え子がお母さんになってその子どもを預けにきたり、保育士を目指して実習にきたりすることもあるのだとか。
「現場で仕事をしているとふと『この子たちのためにすべてしてあげられただろうか』と不安に思うこともあるんです。でもそんなときに成長した教え子の姿を見ることができると、『やってきたことは間違ってなかったのかな』と思うこともあります」。(北川先生) 「子どもたちが大きくなって戻ってきてくれるっていうのがこの保育園の良いところの1つ」と岩崎先生。小さな保育園ということもあって、卒園後はそれぞれ違う小学校に入学しバラバラになってしまうことが多いが、実際は「なんだかんだで6年生くらいまでは情報が入ってくる」と先生方は優しく笑う。
毎年、年に1度は同窓会も開かれる。卒園したらそれで終わりではなく、いつでも温かく迎え入れてくれる先生がいる場所。子どもたちにとっての永遠のホームベースのような存在が「つのぶえ保育園」なのだ。

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これからのつのぶえを担っていく1〜2年目の新しい先生たち。左から栄養士の片岡先生・七五三先生・薄井先生・佐藤先生・指田先生

これからのつのぶえを担っていく1〜2年目の新しい先生たち。左から片岡先生(栄養士)・七五三先生(保育士)・薄井先生(保育士)・佐藤先生(保育士)・指田先生(保育士)