園長 石田雪絵

園長 石田雪絵

都内で約10年間、私立幼稚園の教諭と教会学校の中高課クラスを担任し、 1993年、産休代替職員として「つのぶえ保育園」に就職。1998年、園長に就任。30年以上キリスト教保育の現場での幼児教育に携わる。

「つのぶえ保育園」の園長(石田雪絵)からのご挨拶

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毎日の生活のなかで
「人としての本質」を学ぶ

30年余り保育に携わり、分かったことがあります。
それは、保育園も幼稚園も子どもを保育する所は変わらない、“子どもが真剣に生きる場所”だということです。
私が考える『保育』とは、こちらが手取り足取り教えたり、指示することではなく、その子らしく生きていけるように魅力や可能性を見つけ、引き出していくこと、そして自立をするときに自分のことを信じることができて、命の尊さを感じることができる。 そういった“心”を育てていくことだと思っています。
「人として」という考え方を当園では一番大切にしています。なぜ人をいじめたり傷つけたりしてはいけないのか。それは 「神様に創られた 同じ命を持つ存在同士、人として、その権利がない。」ただそれだけのことなんです。生まれたばかりの赤ちゃんも、大人も、お年寄りも、どんな人であっても命の重さはみんな同じ。
園での生活の中で子どもたちとじっくり向き合い「これは人としてやっていいことなの?だめなことなの?」と繰り返し子ども達に問いかけ、考えさせます。
子どもたちが失敗したり間違ってしまったときにはそばに寄り添い、何が悪かったのかを話し合いながら「大丈夫、次に活かせばいいんだよ」と伝えています。そうやって子どもたちは自分の力で立っていくことを学んでいくんだと思うんです。

園と家庭の二人三脚の子育てでお互いに支え合う

保育園でしかできないことと、家庭でしかできないことがあります。集団生活は保育園でしかできないことです。私たちが唯一できないこと、それは保護者の代わりです。お母さんやお父さんの声で本を読んであげたり、抱きしめたりすることです。お母さんやお父さんの声で絵本を聞くというのは、6歳までのこの時期にしかできないことですし、この時期の心を育てます。家事に育児に仕事、忙しい一日の中でずっと一緒にはいられなくても、一緒にいる貴重な時間を大切にしていただきたい、子どもに話しかけられたら、一瞬でも手を止めて話をしていただきたいと思っています。保育園にいる時間だけでは“心”は育ちません。つねに、子どもを真ん中にして、園と家庭が理解を深め、お互いに助け合い、『みんなで育てる』ということに重きをおいています。

「保育」は一人ではできないことです。
送り迎えの時間や園だより、保護者会、育児座談会などを通じて寄り添い、保護者さまと一緒に子ども達のことを考え、育てていきたいと思っています。

未来の子どもたちの姿を信じて生きることを伝えたい

私たちの仕事は、子どもたちという種が花開いてどんな実になるかを見ることはできません。
でも子どもたちの未来の姿を信じて、その子らしい魅力や可能性を見つけ、引き出していくことはできると思います。子どもたちには自分の素敵なところをたくさん知って、小学校へ行ってほしいなと思っています。
うちは小さくて古い保育園です。でも、子ども達がいきいきと、子どもらしくいられる保育園です。そして、ここにいる先生たちは本当に子どもの事を大事に想っているし、そんな先生たちを子どもたちは100%信頼してくれています。そんな子どもたちの眼差しに応えられるよう、これからも人として真剣にぶつかり合いながら、子ども達がありのままを出せる環境であり続けたいと願っています。

人生は山あり谷あり。神様は試練も挫折も失敗も、いい事も幸せも、色んな物事の出会いも全部必要な時に、必要なものだけしか与えません。嬉しいことがあったとき、辛いことがあったとき、育児に悩んだとき、いつでもつのぶえ保育園を思い出してください。心のよりどころとして、いつでも「ただいま」と帰ってこられる居場所でありたいと思っています。